オセロの四大定石の一つ、虎定石をずらーっと書いていきます。
白の縦取りから、虎、ウサギ、猫の選択肢がありその一つになります。
ウサギや猫に比べて定石の分岐がたいへん多く、上級者をはじめ打たれる頻度が高い定石です。
初心者向けの部分には🔰マークをつけています。
定石を初めて取り組む方は、リンク先もご覧くださいね(準備中)。当サイトでの表記ルールのようなことも書いています。
カッコ内の数字は何手目が節目なのかを分かりやすくしたつもりです。
奇数だと黒、偶数だと白からの仕掛けというのも分かりますね(一部例外あります)
⑻Stephenson→コンポス基本形 🔰
(21)コンポス→F.A.T.Draw 🔰
【コンポス→F.A.T.Draw間の変化定石】
⑼ライトニングボルト、砂虎
⑾たまプラーザ、ロジステロ流
⑿12手目c5、satobonクロス
⒀プチポス、テバポス、D8コンポス
⒁ジャンポス
⒂e2コンポス
⑻Stephenson→ノーカン基本形 🔰
⒀ノーカン→ボンド定石 🔰
ノーカン→ボンド定石間の変化定石
⑻カン(kung)
⑼ノーカン(Continuation)、Holgersson
⑽縦取り殺され、金田流
⑾北島流、11手目e7、EJ
⒀13手目e7
虎定石ツリー(早見表)
虎定石・基本形
- 虎定石・基本形 🔰
これから虎定石を始める方向け。
まずは上図のところまで、打ち方の基本を抑えつつ身につけよう。
虎大量→ローズビル
虎定石基本形 → ローズビル
- 花形定石(ローズビル)基本形 🔰
仕掛ける側:黒
頻度:★★★
虎定石の中でも、後述する「Stephenson」と双璧をなす超高頻度な定石。
定石🔰の方は上の虎定石基本形までを身に着けたら、次はこの形まで頑張ってみましょ。
黒が巨大な三角形を作り、白が3点、ポツンポツンと存在する形で、何度も打っているうちに形ごと頭に焼き付く。
黒を花の中心、白を花びらに見立てるとローズに見えなくもないですね。(しらんけど)
この形からがスタート地点、に感じる人も多いです。
最近は「ローズビル」で呼ばれることが多いので、当サイトもこちらを主に使います。
酉定石
①酉 ②FJT ③金魚
- ◆◇酉フック◇◆
- ◆◇酉ストレート◇◆
- ◆◇酉アッパー◇◆
- ◆◇酉キック◇◆
- ◆◇酉エッグ◇◆
- ◆◇くらげ◇◆(一つ手前で変化)
仕掛ける側:白
頻度:★★★
ローズビルからの白三大変化の一つ。
10手目e3に打つのが酉定石。「とり」と読みます。
c2の黒が頭部、3行の白ラインが羽、黒の団子石が胸モモ、d6の白が脚に見える?
対する黒はd2ほぼ一択、ここ以外は悪手。(理由は↑酉フックで少し書きます。)
次に白c6でe2の中割り狙い、しかし黒にb4で消される…のやり取りを行い、ここから「酉なんちゃら」という複数候補があります。
(くらげ定石だけはe2→b4のやり取り前に変化します)
変化の定石名が、酉フック、酉ストレート、酉アッパーなど、なぜか格闘技になっているのが特徴。
白からの選択肢で、高い頻度で打たれるため対策必須の定石。
FJT定石
①酉 ②FJT ③金魚
- ◆◇FJT最善型◇◆
- ◆◇11手目c6型◇◆
- ◆◇12手目e2(みこし直前分岐)◇◆
仕掛ける側:白
頻度:★★★
ローズビルからの白三大変化の一つ。
読み方は「えふ じぇい てぃ」そのまんまで良いはず。(本当は藤田らしい)
ローズビルを横にズバっァァ!と分断する豪快な定石。
対する黒e3がわかりやすい中割りですが(c6の変化もある)これでほぼ互角になります。
白からの+0変化が多いのが特徴。
黒最善でついていくのは大変なので、変化させる人も多い。
金魚定石
①酉 ②FJT ③金魚
- ◆◇金魚定石・最善型◇◆
- ◆◇りと虎◇◆
- ◆◇すぱりと◇◆
仕掛ける側:白
頻度:★★★
ローズビルからの白三大変化の一つ。
白e6→黒c6→白b4→黒b5と進んだ局面が金魚に見えるから命名されたらしい。
どちらかと言えばママンボウ。
酉やFJTに比べると、白からの変化は少なめな印象で、黒からの変化も割と多めな印象です。
虎スマイル、へろ虎
④虎スマイル ⑤へろ虎
- ◆◇虎スマイル◇◆
- ◆◇へろ虎◇◆
仕掛ける側:白
頻度:
★☆☆(虎スマイル)
★☆☆(へろ虎)
ローズビルからの白三大変化…ではない定石。
三大変化が人気過ぎてこちらは打つ人が少ないですが、個人的には結構行けると思っています。
黒が正確に応じるとやや厳しいのは変化系定石にありがちですが、三大変化に対策を張る分こちらが手薄になるのでやり込み次第では強いです。
虎スマイル
こちらはいい感じの中割り。
次の黒はいくつか候補ありますが、どこに打たれても次の白はb4かb5辺りに打っておけばそれほど悪くないので、序盤から詰みにくいと思います。
へろ虎
いきなり辺に飛び出すので、一見悪手に見えるけどそうでもないです。
次の黒最善は知らないと分かりにくく、無対策の人も多いので、いきなり手が止まったりもする。
バナナ定石、まこ虎
①バナナ ②まこ虎
- ◆◇バナナ定石◇◆
- ◆◇まこ虎◇◆
仕掛ける側:白
頻度:
★★☆(バナナ定石)
★☆☆(まこ虎)
ローズビル?だと思ッタカ?
と言わんばかりに変化をかましにいく形。
大量取り型のバナナと、一石返し型のまこ虎がある。
バナナ定石
形がバナナに見えなくもないです。横向き。
黒の最善は難しめだけど、外してもそこまで悪くないように見えます。
読み合いになりやすい定石だと思っている。
白としては、黒Stephensonを打つと期待したのに、虎大量を打たれ仕方なく変化させるプレイヤーもいるだとか。
まこ虎
豪快にぶった切るバナナに対し、こちらは一石返し。
直後の黒はとてもわかり易いからか、白からあまり打たない傾向。
最善で打つとLeader’s Tigerの最善と合流するので、黒としては併せて対策はしやすい。
あっくん、Noローズビル
①あっくん ②Noローズビル
- ◆◇あっくん◇◆
- ◆◇Noローズビル◇◆
仕掛ける側:黒
頻度:
★★☆(あっくん)
★☆☆(Noローズビル)
白は「酉か、FJT、金魚どれ打とうかなぁ」とワクワクしてたら、直前で外されて肩透かしを食らう変化。
あっくん
名前の由来は、世界チャンピオンが世界大会で無双して有名になった、若きプレイヤーのニックネームから。
実際は最善以外にも候補が多く、読み中心の戦いになりやすい。というより最善進行がかなり難しく研究量が結果に繋がりやすい。
Noローズビル
これはまだ正式名ではないんですが、定石名がない割に打つ人ちらほらいるので、管理人が勝手に名付けました。
白最善で受けると、黒からの-6変化がかなり多く、黒から駆け引きしやすい定石とも言えますね。
ここで虎大量→ローズビル系は終わりです。
Stephenson→コンポス基本形
①がStephenson、②は虎大量
その直後③がコンポス、④ノーカン、⑤カン
- Stephenson→コンポス基本形 🔰
仕掛ける側:f6(Stephenson)黒→f3(コンポス)白
頻度:★★★
虎定石・基本形からの二大巨塔:虎大量、Stephensonのうちの後者
「Stephenson」の読み方はスティーブンソンでOK
この手の直後、すぐさま白の巨大な分岐【③コンポス ④ノーカン ⑤カン】があります。
前2つがほぼ同じくらい超高頻度で打たれ、カンはマイナー気味です。
コンポス→F.A.T.Draw
- ◆◇コンポス→F.A.T.Draw◇◆ 🔰
仕掛ける側:コンポス→白
頻度:★★★
コンポスは双方互角(+0)変化が非常に多いです(白の方が候補多い)
全部追うのはWebサイト上不可能なので(笑)ここでは代表的なものを紹介します。
一体何から手をつけたらええのん?
初心者にあるあるな悩みのため、ここでは双方最善である【d7g6f8f7g5h6h4g4h3h5h7】と進んだF.A.T.Drawをベースに進めます。
一本軸を作ってから、下記の変化手を考えると覚えやすいです。
ライトニングボルト、砂虎
①ライトニングボルト ②砂虎
- ◆◇ライトニングボルト◇◆
- ◆◇砂虎◇◆
仕掛ける側:黒
頻度:
★★☆(ライトニングボルト)
★★☆(砂虎)
白のコンポスを最速で拒否する変化。
ライトニングボルト
黒の形が某アニメに登場する、電気ねずみの尻尾に似ている。
彼(?彼女)も電気技が得意なため定石名にマッチしている。(謎)
お互い候補手は多めで中盤からの読み勝負になりやすい。
砂虎
某小学生世界チャンピオンが世界大会で無双したと覚えている。
黒からの最善候補がやや多めで、仕掛けやすい定石とも言える。
黒の砂虎変化に対して白次善のg5で受けると、ノーカン(Continuation)と合流する流れがあり、合わせて対策できたり。
たまプラーザ、ロジステロ流
①たまプラーザ ②ロジステロ流
- ◆◇たまプラーザ◇◆
- ◆◇最強定石◇◆
- ◆◇ロジステロ流◇◆
- ◆◇ろじくすぴあ◇◆
仕掛ける側:黒
頻度:
★★★(たまプラーザ)
★★★(ロジステロ流)
白のコンポスを拒否する変化。その中でも頻度は最も高い2ヘッド定石。
黒からの仕掛けが結構多く、白でコンポスを打つならこちらも対策しないと返り討ちにされたり…
たまプラーザ
定石名が駅名そのまんまだけど、由来は地名ではない。
もともとN島八段がM岡七段と対局してたときによく打たれたらしい。彼の下の名前を取ってたまプラーザらしい(謎)
ロジステロ流
過去に世界最強とも言われた(らしい)オセロのソフトが好んで打ったと言われる定石。
ロジステロ流も黒からの仕掛けが多く、白でコンポスを主体にするなら併せて対策が必要になる。
12手目c5、satobonクロス
①12手目c5 ②satobonクロス
- ◆◇12手目c5◇◆
- ◆◇satobonクロス◇◆
仕掛ける側:黒
頻度:
★★★☆☆()
プチポス、テバポス、D8コンポス
①プチポス ②テバポス ③D8コンポス
- ◆◇プチポス◇◆
- ◆◇テバポス◇◆
- ◆◇D8コンポス◇◆
仕掛ける側:黒
頻度:
★★★☆☆()
ジャンポス
①ジャンポス
- ◆◇ジャンポス◇◆
仕掛ける側:黒
頻度:
★★★☆☆()
e2コンポス
①e2コンポス
- ◆◇e2コンポス◇◆
仕掛ける側:黒
頻度:
★★★☆☆()
ここでStephenson→コンポス系は終わりです。
Stephenson→ノーカン基本形
①が本項「Stephenson」 ②は虎大量
③コンポス ④ノーカン ⑤カン
- Stephenson→ノーカン基本形 🔰
仕掛ける側:白
頻度:★★★
黒7-f6の「Stephenson」に対し、白g5に打つのがノーカン。
コンポスと双璧をなす定番定石。最近はコンポス派が若干多めな気がするが、こちらも多い。
お互いに変化手が同じくらいある。最善以外でも悪くない手が多く、読み合いの対局になる傾向ですね。
ノーカン→ボンド定石
- ◆◇ノーカン→ボンド定石◇◆ 🔰
頻度:★★★
(+0)互角変化が多いコンポスに対して、ノーカンは-2~-4程度の変化(微妙に不利っぽい?、いやほぼ互角)が多いです。
こちらも何から手をつけたらええのん?
コンポスと同じく、初心者にあるあるな悩みのため、まずは双方最善である【e6d7e3c5f3e7】と進んだボンド定石をベースに進めます。
一本軸を作ってから、下記の変化手を考えると覚えやすいです。
カン(kung)
①カン(kung)
- ◆◇カン(kung)◇◆
仕掛ける側:白
頻度:★★☆
ノーカンの反対意であるカン(たぶん人の名前)
黒7手目f6のStephensonの次、白はf3(コンポス)もしくはg5(ノーカン)が二大巨頭だが、そのどちらでもない変化。
「ノー」が付く方が主流という、ちょっと違和感のある命名だったり。
カン自体は白が十字架のような形を作る手。
最善がしばらく分かりやすく、黒が右辺を取る形になる。
ノーカン(Continuation)、Holgersson
①ノーカン(Continuation) ②Holgersson
- ◆◇ノーカン(Continuation)◇◆
- ◆◇Holgersson◇◆
仕掛ける側:黒
頻度:★★☆
白8手目のノーカンに対し、黒最善を外す進行
なぜ外すのに「Continuation=継続」という単語が付いたのかは知らないw
白8-g5の後はe3f3g4h3g3f2、この白f2の時点で \ノーカン(Continuation)/ とオセロクエストでは表記される。
ここへたどり着くまでにいくつか変化があり、↑のリンク先で併せて紹介予定。
縦取り殺され、金田流
①縦取り殺され ②金田流
- ◆◇縦取り殺され◇◆
- ◆◇金田流◇◆
仕掛ける側:白
頻度:★★☆
通称「タテコロ」
ノーカン→ボンド間で変化する定石。
白e3を狙うためにc5と打つ変化。
しかし、黒f3が絶妙な受けで、白e3が悪化するという流れ。
この黒f3が縦にバッサリ斬るような手であることから「縦取り殺され」と名づいたと思う。
黒やや有利だが、白も全然戦える形。
北島流、11手目e7、EJ
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①北島流 ②11手目e7 ③EJ
- ◆◇北島流◇◆
- ◆◇11手目e7◇◆
- ◆◇EJ◇◆
仕掛ける側:
頻度:★★☆
13手目e7
①
- ◆◇◇◆
- ◆◇◇◆
仕掛ける側:
頻度:★★☆
ここでStephenson→ノーカン系は終わりです。
以下は、虎大量 or Stephenson分岐前の序盤変化系になります。
龍定石、ミサイル定石、犬定石
①龍 ②ミサイル ③犬
- ◆◇龍定石◇◆
- ◆◇ミサイル定石◇◆
- ◆◇犬定石◇◆
仕掛ける側:白
頻度:
★★☆(龍)
★☆☆(ミサイル)
★☆☆(犬)
虎定石の中では、最も早い段階で変化する定石。
龍定石
4手目で白f4と打つ定石。
双方が最善を打つと序盤から開放度をガン無視した形になり、難しい進行になる。
黒は7手目で最善を外してc4に打つことでStephensonへ合流させることもできる。
ミサイル定石
命名したのは僕らしいです(笑)10年以上前ですが、今のご時世ちょっと物騒ですよね。
白-4と序盤からやや悪でマイナーな定石だが、龍定石のごとく奇抜な形になりやすい。
白からの変化手も多く、研究すれば結構強い。
犬定石
厳密には白f4は犬素と言うらしく、次の黒d3が犬定石と言うらしい(何故かは知らない)
白-4で黒やや打ちやすい形だが、白の妙な変化にハマるパターンがあるので注意はしたい。
白が初心者だとこれを打つ確率が妙に高いので、一応少しは知っておきたい。
エビ、ザリガニ定石
①エビ定石 ②ザリガニ定石
- ◆◇エビ定石◇◆
- ◆◇ザリガニ定石◇◆
仕掛ける側:黒
頻度:
★☆☆(エビ)
★☆☆(ザリガニ)
黒5手目で仕掛ける変化で、c5がザリガニ、c6がエビ定石。
どう打っても白が中割りや団子石になりがちで黒数値以上に打ちにくい感じがある、そのため打つ人は少ない。
ザリガニ定石は白最善受けすると、序盤で全滅を食らう不意打ちがあるので一応注意したい。
Berg Tiger・イエス流
①Berg Tiger ②イエス流
- ◆◇Berg Tiger◇◆
- ◆◇イエス流◇◆
仕掛ける側:白
頻度:
★☆☆(Berg Tiger)
★☆☆(イエス流)
白6手目で左側へ打つ変化。
Berg Tiger
読み方は「べるくたいがー」で良いはず!
評価値は-2で数値は悪くないが、黒からの候補が多めな割に白は最善以外が緩いという難しい定石。
ゆえにマイナー気味である。
まこ虎と合流する手筋がある。
イエス流
Berg Tigerに比べて開放度的によくない、2石返しということもあり、評価値は-4と悪い印象。
しかし黒の候補はこちらの方が少なく、龍定石のような奇抜な傾向にあり双方とも結構難しい。
なお白c3の直後、黒c5がきれいな中割りに見えて実は緩いという罠もある。最低ここは対策しておきたい。
ブライトウェル、Leader’s Tiger
①ブライトウェル ②Leader’s Tiger
- ◆◇ブライトウェル◇◆
- ◆◇Leader’s Tiger◇◆
仕掛ける側:黒
頻度:
★☆☆(ブライトウェル)
★★☆(Leader’s Tiger)
白「貴方が打ちたいのは虎大量ですか?それともStephensonですか?」
黒「いいえ、ブライトウェル(またはLeader’s Tiger)です」
二台巨塔直前の変化で、黒変化する定石。
ブライトウェル
白無策だと黒打ちやすく優位になるが、逆に対策されるとしんどくなる。
相手のレベル次第では武器にも毒にもなる感じ。
Leader’s Tiger
読み方は「りーだーず たいがー」でOK
直後に白さっそく2択で、最善のb3、次善のf6(こちらはビン定石や坂口流へ派生)があり、どちらも打たれる。
コメント
昨日までは閲覧できたのですが、今日「403Forbidden」の表示が多くのオセロ戦術のページで現れて見ることが出来なくなっています。回復するのでしょうか?
こんにちは!
原因はなんとなーく心当たりが見えてきたのですが、復旧には少し時間がかかりそうです。
ご心配かけてすみません。今しばらくお待ちいただけますか。
お返事ありがとうございます。こちらでオセロを勉強しています。
復旧までお待ちいたします。それまでは飛ばして見えるコーナーで勉強します。現在初級向けの「C打ちの極意」のC打ち・演習問題の途中まで進みました。ありがとうございました。