前回の公開した【オセロ大会】対局準備、正しい打ち方、対局時計の使い方
この記事の補足になります。
毎回起こるわけではないのですが、知っておけばアタフタしなくて済みます。
この図で青く「別途記載」とした部分、
- 引き分けがある場合の伏せ石
- 不正着手があったときの対処
- 時間切れ(通称:針落ち)時の対応
- その他、不測の事態にはどうするか
このあたりに絞って紹介します。
特に知っておきたいのは対局中に起こりうる「不正着手」。
中でも「返し忘れ」は大会に慣れた人でも時にやってしまいがち。
あなたもやってしまうことがあるので、ぜひ知っておこう。
目次(もくじ)
引き分けがある場合の伏せ石
大会のほとんどは「引き分けなし」のルールの方が多いのですが、中には「引き分けあり」の大会もあります。
伏せ石のやり方がすこし変わります。
段級位の上位者が石を手で隠し、下位者が言い当てるのですが、
下位者は上の色を当てるのではなく、
or
「下」
のどちらかを宣言します。
そして宣言した側の色を下位者が持つことになります。
「引き分け勝ち」の選択肢がなくなり、色を決めるだけになったと考えればOKです。
同じ石数になった時はルール通り引き分けになります。
対局カードによっては日頃の大会のものを使い回すからか「引勝」が存在することもありますが、無視してもらって大丈夫です。
不正着手があったときの対処
ここからは対局中にたまに起こり得るケースの紹介です。
不正着手とは、
- 石を返し忘れた
- 石を返し過ぎた
- 打てる箇所があるのにパスをした
主にこのようなケースがあります。
この中でも経験上、もっとも多いのは返し忘れです。
石を返し忘れた
返さないといけない石を返さないまま終えてしまうことです。
相手が返し忘れをして、そのまま気づかずに着手ボタンを押しました。
次、あなたの番になります。
ここで
指摘できるのは、あなたの番になってから着手するまでです。
着手してしまうと、それ以後は指摘不可になります。
直前で相手が返し忘れをしたならば、まず自分側の着手ボタンを押して相手の番に戻します。
続いて返し忘れをした箇所を指摘します。
ここであなたができるのは指摘のみであり、実際に石を返し直すのは相手になります。
相手に修正させたのち、相手が着手ボタンを押して修正完了、改めてあなたの番になります。
この流れから分かるように、相手の番の時も不正着手を相手がしないかどうか、よく確認したほうが良いです。
相手の不正着手に気づかなければ、そのまま進行します。
石を返し過ぎた
返し忘れとは逆に、挟んでいない箇所の石まで返してしまう方です。
この場合も返し忘れと手順は同じ。
貴方の番になってから自分側の着手ボタンを押して相手の番に戻し、返し過ぎた箇所を指摘します。
とこれが現行のルールではあるんですが…
「返し過ぎ」は待たずに指摘して良いんじゃね?
返し過ぎの場合は、相手が返し終えるまで待たなくても、
このように相手が石を返しているタイミングで気づくはずですね。
よって相手が着手ボタンを押すまで待たずに、挟んでいない石を返したところで指摘してもいいと思います。
なぜなら返し過ぎは、全部見届けてから【指摘 → 修正】の指摘をしても、返す前の状態に戻せなくなる可能性があるからです。
返しすぎた石が少数なら大丈夫でしょうけど、2列も3列も返してしまうとどうでしょうか?
いないと思いますが極端な話。
盤面上の挟んでない石も含め全ての石を返すような人がいたなら、流石に返し終えるまで待つわけにもいかないですよね?
速攻で指摘すると思います。
ルール上は貴方の番になってから指摘するものですが、この辺は臨機応変に対応したいところですね。
僕も相手が返し過ぎをした時に、その場で指摘したことがありますが、問題なく進められました。
打てる箇所があるのにパスをした
終盤で起こりやすい不正です。
オセロでパスができるのは打てる場所が一つもない場合のみであり、一箇所でも打てる場所があればそこに打たないといけません。
つまり、打てる場所があるのにパスをするのは不正になります。
相手が直前で打てる場所があったのに「パス」を宣言して貴方の番にしたならば、あなたは着手ボタンを押して相手の番に戻し、「ここが打てます。」と指摘すればOK
相手がそこへ着手したのち、改めてあなたの番になります。
不正着手は必ずしも指摘する必要はない
- 返し忘れ
- 返しすぎ
- 打てる場所があるのにパスした
いずれの場合も、あなたが着手するまでは修正させる権利があるのですが、あくまで権利です。
敢えて指摘せずに進めることもできます。
例えば相手の不正着手によって、本来よりもあなたが有利になったと思ったならば、指摘をしないのも一つの方法です。
ただ棋譜がおかしくなるので、正直に指摘する人のほうが多い…とは思いますね。
逆にあなたが不正着手をした場合
ここまで相手が不正着手をした場合の流れを説明しました。
反対にあなた不正着手をした場合は立場を置き換えればOKです。
あなたが気づかずに着手ボタンを押した場合、相手から指摘されると思います。
指摘された時は一言「失礼しました」とか「すみません」とか軽く謝罪してから、指摘された通りに修正しましょう。
相手に指摘する手間を与えたことに対して謝罪することはマナーとして大事です。
着手ボタンを押した直後に、自分の不正に気づいた場合
ついやってしまいがちなので要注意です。
不正着手を行い、着手ボタンを押して相手の番にしました。
もしこの直後に、あなたが不正したことに気づいて修正したくても、勝手に修正することはできません。
相手に指摘されれば修正はできますが、指摘がなければそのまま対局を進めていくことになります。
この点は注意してください。盤面を操作できるのはあなたの番の時だけです。
時間切れ(通称:針落ち)時の対応
先に時間切れになった方は、その時点で負けになります。
(一部の大会では針落ち後も一手あたり30秒の持ち時間で継続する、秒読みルールがある)
きわどい例ですが、60手目を打ち終わって、最後中断ボタンで止めるまで残り時間を00:00にしてはいけません。
おそらく00:00になった瞬間にブザーが鳴りますが、鳴ってしまったらそちらの負けが確定します。
結果は形勢に関係なく、針落ちしなかった方が勝ちになります。
その後、石差をどうするか?
決めるにあたって、次に示す通り2パターンの方法があり、勝者が選択することができます。
勝者側の2石勝ち
こちらはいたって簡単です。
その後盤面の操作は必要なく、針落ちしなかった側が2石差で勝ちになります。
明らかに負けていたけど、相手の時間切れで勝てた場合はこちらを選択して良いでしょう。
勝手打ちを行う
勝者は自分の残り時間を使って、相手が針落ちした次の手から、好きなように自分→相手の順で打ち進めることができます。
(針落ちした瞬間に打っていた手自体はそのままで、次の手からが勝手打ちになります。)
そのため自分の石が沢山残るように、相手の分は悪手、自分の分は好手を打ち進めることで、空きマス次第では大差で勝てます。
勝手打ちにも次のようなルールがあります。
勝手打ちする側は最後まで打ち切らずに、途中でストップすることができます。
この場合、ストップした時点での石差をそのまま結果にします。
(空いたマスは勝者側のもの)
勝者が勝手打ちをしている最中に時間がなくなったときは、その手まででストップし、その時点での石差を記録します。
勝手打ちで「返し忘れ」や「返し過ぎ」など不正着手があった場合は、敗者側が指摘することができます。
上記のいずれの場合も、勝者側が勝手打ちした結果、盤面上で負けて(または引き分け)しまっても負けにはなりません。
この場合時間切れにならなかった側の2石勝ちになります。
その他、不測の事態にはどうするか
ここからは滅多に起こらないとは思いますが、一応の対処法として知っておくと迷わなくて済みます。
トイレに行きたくなった
対局中に急きょトイレに行きたくなった場合ですが、行くこと自体は可能です。
その際は相手に一言告げて行くと良いでしょう。
ただし、対局中のトイレはあなたにとって不利になります。
なぜならトイレに行くからと言って、持ち時間を中断することはできないからです。
トイレが長引くほど、あなたの持ち時間が減るため損することになります。
貴方を着手し終えた直後にトイレに行っても、戻る前に相手が打ち終えていたなら、その瞬間からあなたの持ち時間が減ります。
また、相手が不正着手を行っても気づきにくくなります。
故意に不正着手をする人はいないでしょうけど、貴方が不安になると思いますよ。
万が一トイレに行くときは、スマホは置いておき、手ぶらで行く方が良いです。
「隠れてソフトでカンニングしているのではないか?」と疑われたくはないですからね。
このようにデメリットが大きいので、対局前に済ませておきましょう。
水分補給したい
対局中の水分補給は可能です。
大会で普通にみられる光景なので心配しなくて良いでしょう。
相手の番のときに飲むのが普通ですかね?
一つ注意することがあって、飲み物は必ずフタをできるものを用意すること。
自販機などで買ってきた紙コップのものはダメです。万が一こぼしてしまうと大変なことになるからです。
あと食べ物については原則ダメですが、アメやチョコボールのようにすぐに口に入れられるもの、食事目的ではなく栄養補給としてなら一応大丈夫でしょう。
対局相手が現れない
対局開始の合図があっても、対局あいてが現れない場合はどうすれば良いでしょうか?
この時は主催を呼べば良いでしょう、適切な対応方法を教えてくれます。
おそらく、相手の持ち時間をへらすような指示があるはずです。
遅れた分だけ持ち時間が減るという処理なので、あなたも遅れないように注意しましょう。
何かがぶつかって石や盤面が落下した
大会会場は部屋が狭いこともあります。
ルールには記載されていないけど、起こり得るのではないかという事故。
対局者よりも、対局を終えた人が結果を提出しに行くときに、机にぶつかって盤面ぶちまけるケースがあり得るのではないかと思います。
万が一起こってしまったら、パニックにはならずに落ち着いて主催を呼びましょう。
(って言うか大きな音がなるから気づくと思います。)
周りがまだ対局しているので迷惑にならないように片付けることになるでしょう。
対局結果については…どうなるか分かりません。
最悪両者負けになるかもしれません。
こういった事故を起こして良いことは一つもないので、まずはあなたが注意しましょう。
- 鞄が机の内側に置き、通行人の邪魔にならないようにする
- 対局が終わって結果を提出する時は、できるだけそっと歩く
- 特に鞄を引っかけないように注意する
この辺は、くれぐれも注意しましょう。
おしまい
イレギュラー編も大分長くなってしまいました。
ただ本当に時々しか起こらないので、ざっと目を通してもらえれば大丈夫です。
知っていれば焦らずに済みます。
対応が分からない時は主催を呼べば何とかしてくれるので、あまり心配なく。
中でも返し忘れは、イレギュラーの中でもそこそこ起こり得るので、対応は知っておこう。
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