※こちらは大会初参加向け…ではなく、大会慣れした人向けな記事になります。
多くの大会はスイス方式が採用されていますね。
軽くおさらいすると…
(詳細は上のリンク先をどうぞ。)
- 1回戦のみランダム。2回戦以降はそれまでの対局で、順位の近い人同士で当たる
- 順位の決め方は、①勝利数 ②同勝利数では石差合計が多い人が上位
というもの。
ここで赤字の部分を見ると、何かひっかかりはしませんか?
- ①強い人とばかり当たった選手の石差
- ②中堅くらいの人とも当たった選手の石差
これらは同じ価値として計上されるんですよ。
具体的な例でみてみましょう
とある選手A,B、どちらも4勝2敗でした。
しかしAは開幕4連勝の後に2連敗
一方のBは開幕2連敗の後に4連勝
同じ4勝2敗ですが、石差合計を見るとBが上位になります。
でも、本当にそうかなぁ?(´・ω・`)
開幕4連勝
=おおよそ開幕2~3連勝くらいすると次はかなり強い人と当たります。
Aは3-4回戦も勝ち、ずっと強い相手なんですね。
5回戦で負けてしまいましたが、この時点で4勝1敗、これでも次当たる相手は十分強いです。
1、2回戦で連敗。
こうなると3回戦はかなり下位レベルの人と当たります。
よって3回戦は大差勝ちできました。
4回戦も1勝2敗で迎えるので、まだ下位レベルの人になりやすい。
5~6回戦でようやく中堅の人と当たる感じです。
結果的にBの方が多くの石を取り、同じ勝数でAより上になりました。
しかし、どちらが頑張ったか?と言われると、Aではないでしょうか?
その差を埋めるのがブライトウェル方式です。
ブライトウェルポイントの計算方法
勝数が多い人が上位なのはスイス方式と同じですが、同じ勝数同士の順位は次によってきまります。
+
②貴方が対局した相手の勝利数合計×6
この赤字部分は「勝利数が多い=強かった人」となるため、強い人と対局した方が点数が高くなります。
言い換えると、
- 3勝した相手に45石取って勝つ
- 5勝した相手に33石取って勝つ
これが同じ評価値となるんですね。
よってポイントを高くするには…
A選手のように開幕から連勝し、強い人と当たってしかも大差で勝つ。
まあごもっともですよね(笑)
一方でB選手のように開幕から連敗してしまうと、相手が中堅以下と当たりやすくポイントが伸びにくい、という感じですね。
先の成績をブライトウェルポイントで見るとこうなる
さきほどのスイス方式で順位を出すと、Bが上位になりました。
ここでブライトウェル方式を導入、
A、Bそれぞれが対局した相手の、最終的な勝利数が下表だったとします。
(勝敗の流れから、これくらいと想定)
ここでブライトウェルポイントを計算すると(石差ではなく獲得総数で見る)
石数合計:42+38+34+33+27+29=205
3勝+3勝+4勝+4勝+6勝+5勝→25勝×6=150
合計355
Bの場合
石数合計:27+26+52+42+37+36=220
3勝+3勝+1勝+3勝+3勝+3勝→16勝×6=96
合計316
結果、Aの方が上位になりますね。
これがスイス方式との違いになります。
組み合わせはどうやって決まるか?
ブライトウェルポイントで順位を決めるのは最終結果のみで、スイス方式のように途中経過での石差順位は見ないようです。
よって同じ勝数同士の中から選ばれます。
それでも調整によって自分より1勝分多い(or少ない)人と当たった場合、
次の試合では1勝分少ない(多い)人と当たりやすくなるなど、バランス良くなるように調整されます。
(コンピューターによって自動で決まるらしい)
不戦勝や相手の途中棄権の場合
=0勝扱いになるか?
昔はそうだったみたいですが、1回戦で不戦勝になると不運に見舞われますね(笑)
最近は不戦勝があった場合、その試合は代わりに貴方自身の最終勝数を採用するみたいです。
最終的に貴方が4勝2敗なら、4×6=24ポイントとなります。
つまりは、頑張って勝ちましょう!
理にかなっていますね。
相手棄権の場合も同じように、自分の最終勝数を採用するみたいです。
特に重要なのは全国大会の地区予選
このブライトウェル方式は現状
- 世界大会、ヨーロッパやアメリカのメジャー大会
- 王座戦(全国)
- 品川の大会
で主に採用されています。
実はこの方式を最も採用したいのは「全国大会の地区予選」だそうだ。
連盟の某ブロック長が主張してた。
全国大会は出場枠が64人と決まっており、各地方における会員数や総合的な実力によって参加枠が決まっています。
(北海道3人、東北4人、東京10人、近畿北陸8人…みたいな)
その参加枠を競うのが地区予選大会。
上でA選手とB選手の4勝2敗を例としましたが、
実はこれくらいの成績が、出場枠のボーダーライン辺りなんですよ。
やや不公平感のあるスイス方式よりも、実力通りの順位になりやすいブライトウェル方式の方が良いのでは?
と言われる理由ですね。
なぜスイス方式が主流なのか?
スイス方式の方が集計が楽だからですね。
大会運営者に話をうかがうと、
スイス方式なら対局カードを目で見て並べるだけでも、組み合わせは可能だとのこと。
一方、ブライトウェル方式は計算がやや複雑になるため、パソコンでの管理が必要だそうだ。
対局間のインターバルって10分くらいしかないので、スイス方式の方が手短に処理できるのも理由の一つでしょう。
最近は若い運営陣も増え、PC操作に慣れた人も増えつつあるので、ブライトウェル方式が増える可能性はありますね。
まとめると
同じ勝数間での順位の決め方
→石差合計の多い人が上位
ブライトウェル方式
→獲得石数+各対局相手の勝数×6
これで順位が決まります。
ブライトウェル方式の方が、対局相手の強さを加味した成績になりやすい。
という感じですね。
全国大会の予選はボーダーライン辺りの順位をできるだけ実力通りにしたいでしょうから、この大会こそ重要性が高いようです。
以上がブライトウェル方式でした。
ちょっと複雑かもしれませんが、今後こちらのルールを採用する大会が増えるかも知れないので、一応アタマに入れておきましょう。
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