虎定石はウサギ定石に比べると「やや上級者向け」なんて言われたりもします。
理由はウサギ定石に比べて有力な変化定石がたーくさんあり、幅広い知識を必要とするからなんですね。
一見、初心者には敷居が高く見えますが、まずは骨組みを覚えましょう。
すると思ったより簡単に身につけられます。
骨組みだけなら、ウサギよりも分かりやすいです。
虎定石の全てを覚えるのは相当頑張らないといけないですが、全部覚えなくても有段者にはなれますよ(経験者が語るw)
目次(もくじ)
虎定石の骨組みはこうなっている!
はい、ざっとこうなっています。
白6手目f4までが左図「虎定石・基本形」
とりあえずここまで覚えましょう。以下、説明込みで進めますよ。
そこから貴方が黒持ちなら【虎大量、もしくはStephenson】の二択。
前者「虎大量」を選べば、そこからローズビルまで進むと考えましょう。
この特徴的な形です。
白持ちならこの形までは付き合わされる、と考えれば良いですね。
後者「Stephenson」を選べば、白つぎの手が二択になります。
【コンポス、もしくはノーカン】
黒はこのどちらかに付き合わされる形になります。
他にも変化する定石はたくさんあります。しかし、
いまはとりあえず無視で!
一気に全部覚えようとすると、覚えられなくて挫折します。
変化系はまず基本をしっかり整えてから…ですよ?▼o・ω・o▼
まずは虎定石の基本形
では最初のステップ
ここまで身につけましょう。
以下にその流れを示します。
ウサギ定石は少し謎めいた打ち方が混じりますが、虎定石は中割り主体なんですね。
中割りを身につけた貴方でしたら納得いくと思います。
ちょっと考えどころなのは最後のf4。
白f4
これでe5が白になり、種石として機能します。
つまり次の白はe3に打つことができるようになります。
ここで黒はどうするか?今回のケースでは、
- ①白にe3取られるより先に取ることができる。(=先着)
- ②あるいは、白がe3に打てなくなるように、e5の種石を消してしまう。(=消去)
どちらの手段もあるんですね。
①は有力な手で、ブライトウェルという定石名になっています。
が、こちらは変化定石になるので今は語りませんw、後ほど触れるとしましょう。
今回は②のパターン。
こっちの方がよりメジャーであり、今回の骨組みに当たる部分です。
以下で続きを説明しますね。
※誤解しないように補足。
②のパターン。つまり相手の種石を消す手ですが、常に消す方が最善とは限りません。
先着する方が最善となるケースも同じくらい存在します。
この手だけで優劣が決まるわけではないですからね。長年の打ち合いによって確立された定石なので、ここは「へぇーそうだったのかぁ」と飲み込むようにしましょう。
虎基本形の続き頑張ってみよう
では先ほどの②:消去するパターン。
実は3パターンあります。(どこか分かります…よね?)
そのうちe6に打つ、これも有力な手で「リーダーズタイガー」という定石名になっていますが、今回の骨組みから外れますので…今回は語りません。
①ブライトウェル
②リーダーズタイガー
③虎大量
④Stephenson
残り2つ(赤字)のパターンが、骨組みの続きになります。
虎大量→ローズビル
黒c5によって、白はe3が打てなくなりましたね。
この時点で白3石、黒8石…と黒が多く取っているため「虎大量」と思ってもらえればOKです。
黒がこの時点でe3打てる状態なので、今度は白がb3に打って消去する流れです。
最後の黒はd2やe2なら1石返しですが、2方向返しのローズビルより良いんじゃない?と思うかも知れません。
これも長年の打ち合いによって打ち出された結果、c2が良いと定まったものです。
ちなみにe1はあっくん定石です。d1は定石名が無いですが有力なので私が名付けることにしました(笑)
ローズビルに打ち慣れたら、検討してみてくださいね。
Stephenson→コンポス
黒はf6に打つことでe5を取ってしまい、白e3の手を消去することができます。
こちらがStephensonという定石。
ここで前述の通り、次は白が【コンポス or ノーカン】を選択する形になります。
今回はコンポス。
コンポスは…
「もうe3はくれてやる!その代わりe6もらうで!」
という流れです。
白f3に打ってe4の種石を作り、次にe6を狙う形。
実際は黒がe6に先着し、結果e7と覆いかぶさるように打つんですけどね。(これはまた後ほど)
「Stephenson」…ところでどう読むの?
「スティーブンソン」と読めばOKです。
ちょっと違和感ありますよね? phで「ぶ~ふ」系の発音、なんか英語の授業みたいで眠くなります。
なお、管理人は「すてっぷ へんそん」という謎の呪文で会話したことがあり、穴があれば入りたい経験をしたことがあります(笑)
Stephenson→ノーカン
黒f6によって、白e3の手を消去。ここまでは同じです。
ノーカンは白がしつこくe3に執着していく流れです。
g5に打つことでe5を再び取れます。これを種石にするんですね。
こちらがノーカンです。
黒は白にe3を渡すまいと、次に打つのはe6です。
一方、先にe3を取ることもでき、こちらもノーカン(Continuation)という定石であり有力です。
この辺はのちほどで(笑)
まずはどのルートが良い?
- 黒持ちなら【虎大量、もしくはStephenson】
- 白持ちなら【虎大量、およびコンポスorノーカンのどちらか】
を身につければ、一応戦える形にはなります。
が、敢えて僕が最初にこれが良いよ~と薦めるならば…
ローズビルがオススメですかねぇ。
理由は3つあります。
まずは形が特徴的で分かりやすいこと。
とても分かりやすい形していますね。
定石って覚えやすさには特徴があり、「理由付けで覚える>形状で覚える>暗記する」という感じなので、形状が特徴的だと覚えやすいです。
ローズビル直後、黒極端に難しい手は少ない?
ローズビルの後は、白から巨大な3パターンに分かれる(酉定石、FJT、金魚)のですが、いずれも黒次の手は分かりやすいので、最序盤で詰むケースは少ないかなぁと思います。
白持ちでも、黒からローズビルを打つ人は多い
前述のように黒は【虎大量、もしくはStephenson】から選択します。
僕の体感では、虎大量を打つ人の方が若干多いかなぁという印象なので、こちらを覚えておけば確率的に有利ですね。
黒にStephensonを選ばれても、ノーカンは理由付けで覚えやすい定石なので、コンポスより慣れやすいと思います。
少しずつ、無理なく覚えましょう。
「のちほど、のちほど」を連発しましたが、最初に言ったとおりまずは簡単な骨組みから理解することが大事なので、ツカミの部分だけ触れました。
いきなりアレコレ手を付けると、その定石の膨大さに脳のキャパが破裂しますからね(笑)
余裕があるなら、↓の虎定石・一覧ページより、触ってみたい定石を色々触れてみてくださいね。
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