ウサギ定石は「定石初心者にオススメ」とよく言われます。
理由は、ローズさえ覚えておけば割と戦えるから。
人気定石のオンパレードな虎定石に比べて、ウサギ定石は一本ルートなので食いつきやすいんですよ。
じゃあ上級者はローズを打たないのか?
と言われたら全くそんなことはなく、有段者でローズを打つ人は普通にいます。
だから覚えてまったく損はないですよ。
ウサギ定石のうち90%くらいはローズになる。それくらい高頻度なので。
打ち方が少し特殊なところがありますが、何度も打てば覚えるのでたくさん打ちましょう。
ここでの紹介はローズまでに絞ります。
他にも変化定石がいくつかありますが、
いまは一先ず無視で!
一気に全部覚えようとすると、覚えられなくて挫折します。
まずはローズ定石まで、何度も打って身体に覚えさせましょう。変化系はその後から身に着けるほうが良いですよ。
なぜローズを覚えれば戦えるのか?
濃いほど高頻度
これはウサギ定石一覧のところにも掲載したツリーですね。
ローズに到達するまでに変化定石はいくつかあるのですが、実はあまり頻繁に打たれないのが現状です。
- 黒視点なら「馬」か「井上流」
- 白視点なら「横ウサギ」
私の体感では、この辺がやや多いという感じ。
実際に対局してみると、9割くらいはローズになっています。
つまりとりあえずローズを覚えれば、もし相手が世界レベルの強豪でもここまで互角に戦えるということです。
ローズ以後はそれなりに変化が多いが、打ち方が似ている。
ローズ以後は「シャープローズ」と「フラットローズ」に分かれます。
細かい違いはあるとは言え、どちらも「引っ張る」ように打てば、大悪手になることは少なく、何とか戦える形になりやすい。
(手塚システムは大分変わりますけどね)
虎定石にある「虎大量」「コンポス」「ノーカン」の三大定石、こちらは打ち方がまるで違うのですが、ウサギは似たような感じで対応できる、という点でも初心者にオススメとされやすいです。
上級者がウサギより虎を打つ傾向にあるのは、上級者目線になると…
相手が初心者でもローズだとついて来られるからハメにくい。という理由があるのかも知れませんね。
初心者でも20手目くらいまでの最善なら、わりと早期に覚えられるので。
ローズ定石までの打ち方(説明つき)
では実際にローズまで進めてみましょう。
正直な話、最序盤だけ見れば虎定石の方が分かりやすくて、ウサギは若干特殊な打ち方をします。
ぶっちゃけ、暗記でも良いと思います(投げやりww
打ってみると、やや分かりにくい手が多いですよね?
覚えてしまえば楽なんですが、知らなければまず分からない。
そういう意味では、友人や家族など対初心者にめっちゃ効きますw
では、(後述)と書いたところを見ていきましょう。
白最初の2石返し。初心者はなぜ打たないか?
白4手目、打てる場所はこの4箇所なんですよね。
ここでb4やb6はまだ周囲に石が殆どありません。
こういう空き空きの場所に打つ手はあまり良くないケースが多いです。
(逆に中を掘り進むように打つ手が良いことが多い。)
f6は内側に打っているのですが、次の黒e6が分かりやすい中割りなので白不利になります。
やや消去法的ですが、2石返しではあるけど内側であり、黒から明確な好手を突かれにくいf3が最善となります。
2石返しなので、初心者は避ける傾向にある?
オセロで最初に教わるコツって「序盤は少なく取るべき」とよく言われますね。
しかしその法則を開幕から破っていくのがウサギ定石。
定石を知らない初心者だと、ここでいきなり悪手を打つことも多いので有利になったりします。
5手目の黒は内側+1石返し?
これもやや分かりにくい手ですね。
正しくはe3です。
もしここで白の立場なら、c6は中割りっぽい手。
それを阻止するためにe4の種石を消す。
そのためにはd3なんて良さそうですよね?
f3でも消せるけど、次の白e3が中割っぽくなるので、あまり良くない。
ちなみにd3は「馬定石」。ローズほどではないけど、割と打たれる定石です。
(今回は触れないことにします。)
しかし今回はe3に打ちます。
白にc6は打たれて構わない。次の黒でうまい形に持っていく。という先読みをします。
白c6打ってきた。次の黒は?
白はc6、普通に中割りですね。
実はさきほど黒e3に打ったのは、ここでd3に打つため。
要はくっつけて打つようなイメージ。
こうすれば黒の石は上側にカタマリのようにまとまる配置となり、良い形になります。
一方で黒e6(×印)も中割りのような手で、こちらは井上流という定石になりますね(今は触れません)
次の白は先に正解を言うとf6です。
この手を消すために打つ黒f3、Shamanという定石もあります(今は触れません)。
ただ、黒壁が少し厚くなるので、ローズや井上流に比べると、ちょい悪な形勢となります。
次の白はf6?f3はダメ?
どう見ても白f3が中割りですよね?
(ちなみにこの手はラルうさぎ定石。今は触れry)
では次の流れを見てほしいです。
f3から打つ場合
f6から打つ場合
黒はどちらにせよe6を打つでしょう。
ここで白f6から打つと、まだf3に中割りを残したままにできます。
一方、f3から打つと黒e6に打たれた後、あまり良い手がない感じです。
この違い。
黒はどのみちe6なので、打たれた後のことまでイメージすると白f6が良くなります。
他には…
- 白g5に打つことで、黒のe6打たれてもf6で応じれる「横うさぎ」
- 黒のe6自体を消してしまうe2「たまうさぎ」
という変化もありますが、今は触れ(ry
f3は後回し、先に黒のc4を邪魔する
黒e6に打つとそのe6自体が種となり、次c4が大変良い中割りになります。
白はここで邪魔をしたいところ。
その手段がd7になります。
f3の中割りを打つことよりも、相手の中割りを消去する方がここでは良いのです。
長くなりましたが、ようやくローズまでたどり着けました。おつ~(・∀・)
打つ理由を考えるとかなり特殊なので覚えにくいかも知れません。
ここは何度も打って、考えなくても打てるようになる。という段階まで頑張りましょう。
定石全体でもウサギ定石は誘導しやすい
ローズを打つ頻度が高いのはコレが理由です。
黒の場合
白が縦取りさえしてくれれば、ウサギ定石が打てます。
白の場合
白の場合は縦取りをしましょう。
黒3手目で虎を打たれる可能性はありますが、ウサギを打たれる確率も高いです。
ウサギを打たれたら大抵ローズになります。
虎を身に着けていない段階で虎定石を打たれた場合は、ひとまず頑張りましょう。
少しずつ、無理なく覚えましょう。
「今は触れません、今は触れ(ry」を連発しましたが、最初に言ったとおり、
まずはベースから理解することが大事なので、ここではローズだけに絞りました。
あれこれ打つよりも、絞る方が覚えやすいですよ。
考えなくても打てるようになってきたら、他の定石にも手をつけてみましょう。
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